容器文化ミュージアム

2025年5月、JR大崎駅で電車を降り、「容器文化ミュージアム」に行ってきました。ここは、東洋製罐グループが運営している施設で、私たちの暮らしに欠かせない「容器」について、いろいろな展示が見られます。

今回は、昔の土器から最新のパッケージまで、容器の歴史や工夫、そしてサステナビリティのことも学んでみたくて、ひとりで訪問。ミュージアムは、6つの展示エリアに分かれていて、順番に見てまわることで、自然と知識が深まるようなつくりになっています。展示や動画も多くて、楽しく学べる場所でした。

第1部:「人と容器の物語」から始まる展示へGO!

容器って、人類の営みの証だった

「容器文化ミュージアム」。入ってすぐに出迎えてくれるのが、展示エリア01「人と容器のかかわり」です。ここでは、容器の歴史が古代から現代まで、わかりやすく紹介されています。

アニメーションと大型年表が並ぶこのゾーンでは、縄文時代の土器、中国の陶器、西洋のガラス瓶といった多様な容器が展示されています。それぞれの容器は、単に物を入れる道具ではなく、人々の暮らし、文化、技術の発展を映す証でもあることが伝わってきます。

人々が集まって暮らすようになり、食べ物や水を入れておく必要が出てきて、容器(当時は何と呼んでいたんだろう?)が生まれたとのこと。「〇〇さんのために、食べ物を残してあげようね」とか「動けなくなってしまった〇〇さんのために、お水を運んであげようね」という会話が聞こえてきそうで、壮大なロマンを感じすよね。

素材や形、装飾からは、当時の生活スタイルや社会背景が読み取れます。たとえば陶器の厚みからは、持ち運びやすさが重視された時代を、装飾の細やかさからは美意識の変化を感じ取ることができます。

「容器の役割」にふれる展示へ

次に、展示エリア02「容器包装の役割」へ。

クイズです。容器に求められる3つの役割って、なんだと思いますか?

容器の役割は、①中身をまもること ②つかいやすいこと ③情報をつたえること の3つです。

展示パネルにあるように、「まもる」では、食品の鮮度を保つための密封性、「つかいやすく」では、誰にでも開けやすい設計や持ちやすさなどの工夫、「つたえる」では、表示やラベルによって正確な情報が伝わるようになっていることが、容器の3つの役割であり、基本機能なんですね。容器って日常すぎて、「容器の役割とは?」なんて、改めて考えたことがありませんでした(涙)

展示されているのは、缶詰、化粧品、飲料ボトルなど、私たちの生活に身近な容器ばかりです。使いやすさや、見やすさといった機能が、日常にどれほど溶け込んでいるかを再認識させられました。容器って、すごい(笑)


第2部:いまを支えるパッケージの技術と工夫

見て、触って、試せる展示「容器包装NOW!」

ミュージアムの次のエリアは、展示エリア03「容器包装NOW!」というコーナー。ここでは、今まさに使われている「容器」やパッケージの工夫が、実物を通じて紹介されています。しかも、ただ見るだけでなく、実際に触れたり、体験したりできる展示が多いのが特長です。

たとえば、普段なにげなくキュッとひねっているペットボトルの飲み口。どうして弱い力でも開けやすいのか、気にしたことはありますか?

ここに来ると、細かい設計の積み重ねを知ることができるんですね。他にも、「どうしてこの形なのか?」「なぜここにくぼみがあるのか?」と、普段は意識していなかったことに、「あっ」「え?」「そっか~」と気づかされる瞬間が何度もありました。

「便利さ」の裏にあるたくさんの工夫

実際のパッケージを手に取ってみると、「便利さ」の裏には、誰もが安心して使えるようにするための、たくさんの工夫があることが見えてきます。たとえば、開けるときの「カチッ」という音や手ごたえは、「ちゃんと閉まっていた」という安心感を与えるための仕組みです。言われてみれば、私たち、音で確認していますよね。

また、視覚だけでなく、触覚や聴覚でも情報を伝えるための工夫がされている容器も多く展示されていました。そうした細かな配慮が、ユーザーの年齢や体の状態にかかわらず「使いやすい」を支えています。ユニバーサルデザインが、ここにたくさんありました。

この展示エリアを見て改めて感じたのは、「容器」は単なる包装ではなく、使う人のことをとことん考えてつくられた「道具」であるということ。そして、その技術は日々進化しているということでした。

生活のあらゆる場面に包装容器

容器からはじまる、サステナビリティ

分別からはじまる、循環のしくみ

展示エリア04「環境」では、家庭から出た「容器」がどのように回収・再利用されていくのかが紹介されています。時間がなくてできなかったのですが、いくつかのタッチパネル式のコーナーでは、さまざまな素材の容器をどう分けるべきかを、クイズ形式で楽しく学べる「分別体験ゲーム」みたいなものが置いてありました。親子で遊びに来たら、楽しそうですね。

また、ほかの展示パネルでは「容器包装の3Rリデュースリユースリサイクル)」に関する情報も紹介されており、それぞれの取り組みがどのように環境負荷の低減につながるかが解説されています。いろんな容器やキャップと、環境との関係が数多く展示されていて、勉強になりました。

いろんな工夫で、CO2排出量の削減に貢献!
ペットボトルのエコポイントは?

容器が「循環」するプロセスを知る

展示エリア05「循環する容器包装」では、「容器」が廃棄物になったあと、どのようなルートで再資源化され、新たな製品として生まれ変わるのかを学ぶことができます。

回収、選別、再加工といった工程がイラストや模型で表現されており、容器の循環型利用の全体像を俯瞰できる構成になっています。

指でたどって、じっくり読みこんでいたら、後ろに会社員らしいスーツの男性が!仕事の休憩時間に立ち寄ったのでしょうか?私ひとりが見ているわけではないので、大きなパネルの前の特等席を、引き渡しました(笑)

資源に再生された、さまざまな容器素材の実物が目の前にあって、もっと見ていたかったな~と思いました。

これぞ、循環型社会(サーキュラーエコノミー)の実現!

循環する容器包装(容器包装の回収・再生)

このように、容器文化ミュージアムの展示では、「環境にやさしい容器」とは何かを、一人ひとりが考えるきっかけを与えてくれます。生活者として、また事業者として、容器との関わりを見直すヒントが詰まった展示でした。

いかがでしたか?

普段、なにげなく使っている容器のあれもこれも!長い歴史があり、さまざまな工夫があり、サステナビリティがある!と実感できました。皆さんも、容器文化ミュージアム、行ってみてくださいね。

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