*本記事は、2020年8月に株式会社グリーゼで公開したものを、2024年10月に一部修正を加えて公開しなおしたものです
こんにちは。株式会社グリーゼ(現シェダル)の福田多美子です。
御社では、SDGs達成に向けてどんな取り組みを行っていますか?
SDGs(エスディージーズ)とは、「Sustainable Development Goals」の略称で、持続可能な開発目標という意味です。2015年に国連サミットで採択されたので、本コラムを執筆している2020年8月のいまは、SDGsがスタートして5年目ということになります。
既に多くの企業がSDGsへの取り組みをとりまとめ「自社ではこのようにSDGsに取り組んでいます」と情報発信しています。日本としても企業のSDGsへの取り組みを推進すべく、総理大臣を本部長とする「SDGs推進本部」を設置して、SDGsに取り組む企業の表彰などを行っています。
▼Japan SDGs Action Platform
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/index.html
ところが一方で、まだSDGsに着手していない企業や、せっかく素晴らしい取り組みをしているのに、SDGsコンテンツ(自社のSDGsへの取り組みを掲載したページ)が作られていない企業も多いです。
実際、弊社に「自社サイトにSDGsのページを作りたいので、コンテンツ制作を手伝ってほしい」というご相談を継続的にいただいています。
私は、いくつかのプロジェクトを通して、企業がSDGsに取り組むことの重要性を知り、その取り組みを企業サイトに掲載することは、とても意味のあることだと考えるようになりました。
SDGsに取り組むことは大前提であり、その取り組みを発信することまで含めて企業の役割ではないか?と思うのです。
今回のコラムでは、企業サイトにSDGsコンテンツを掲載する意味と、SDGsコンテンツの作り方について考えていきたいと思います。
INDEX>
1:企業サイトにSDGsコンテンツを掲載する意味とは?
2:SDGsの項目を軸に、コンテンツを作る
3:企業の取り組みを軸に、コンテンツを作る
4:まとめ~SDGsコンテンツを作ろう~
1:企業サイトにSDGsコンテンツを掲載する意味とは?
冒頭にも書きましたが、御社では、SDGs達成に向けてどんな取り組みを行っていますか?
社員全員がSDGsピンバッジを身に付け「弊社はSDGs貢献プロジェクトとしてこんなことを行っています」と語れる企業もあるでしょう。
または、「SDGs? 17の目標ですよね。え~っとですね」としどろもどろになってしまう方も・・・
SDGsの17の目標は、壮大なものが多く
・世界の国々の取り組み
・企業の取り組み
・家庭の取り組み
・そして私たち個人の取り組み
のすべて重要になってきます。
上記のいずれもが重要ですが、今回は「企業の取り組み」にスポットを当てます。
社会を作り、私たちの生活を支える多くの企業が、ビジネスを通してSDGsに取り組むこと。SDGsと向き合う姿勢、チャレンジだけでも素晴らしいことであり、SDGs達成をあと押しします。
さらに、企業がSDGsへの取り組みを発信することは、私たち一人ひとりに対して「SDGsの大切さ」をひろめ、意識を変え、家庭での取り組み、個人での取り組みを牽引するのです。
このような理由から、私は、企業がSDGsに取り組むこと、そして企業サイトにSDGsコンテンツを掲載することが重要であると考えています。
情報発信をして、実施内容が伝われば、企業側にもたくさんのメリットがあります。
【対外的なメリット】
1) お客様からの評価が高まります
商品を購入する際に「できれば社会貢献活動やSDGsの取り組みをがんばっているところから買いたい」と考える人は多いです。
2) 採用希望者からの評価も高まります
就職先、転職先を考える際に、企業の姿勢、考え方を見て決断する人が増えています。
3) 取引先や投資家からの評価が高まります
SDGsへの取り組みに共感して取引先、投資先を決めるというケースもあるでしょう。
【対内的なメリット】
1) 社員、従業員の意識が変わります
自分が「SDGsに貢献する優良企業で働いている」という意識をもつことによって、モチベーションアップ、離職率低下につながる可能性もあります。
2) SDGsへの取り組みを通して、社員同士のコミュニケーションが活性化します。
では、SDGsコンテンツは、どのように作っていけばよいのでしょうか?
2つのアプローチを説明します。
2:SDGsの「17の目標」を軸に、コンテンツを作る
ひとつは「SDGsの17の目標」をベースに、取り組みを決め、コンテンツ化していくという進め方です。
17の目標は、多岐に渡ります。
ひとつひとつの目標について議論し、企業としてどの項目に取り組むかを検討してみてください。
「どの目標も大きすぎて、漠然としていて、自社で取り組むのは無理かもしれない」と躊躇してしまうかもしれませんが、自社の事業に近い目標をひとつ選ぶところからはじめてみましょう。
自社のビジネスに近い項目であれば、社員の理解も得やすく、全社として取り組みやすくなります。
「17の目標」については、それぞれ、より細分化した目標が「169のターゲット」として掲げられていますので、目標選定の際に確認してください。
目標を決めたら、自社としてどんな活動、取り組みを行うかを具体的に決めます。
制作の手順を整理すると、以下のようになります。
STEP1:17の項目の中から、自社で取り組む項目を選定する
STEP2:各項目について具体的な取り組み内容を明記する
Webサイトとしての出来上がりをイメージしていただくために、株式会社東京個別指導学院(TKG)様のWebサイトをご覧ください。
▼株式会社東京個別指導学院(TKG)
https://www.tkg-jp.com/sdgs/
株式会社東京個別指導学院(TKG)は、「笑顔あふれる『人の未来』」を目指してというスローガンのもと、SDGsへの取り組みを行っています。
「17の目標」の中から、重点的に取り組んでいる項目を以下の3つに絞って掲載しています。
4:質の高い教育をみんなに
8:働きがいも経済成長も
17:パートナーシップで目標達成しよう
重点的に取り組む目標を掲げたうえで、それぞれの目標に対する具体的な取り組みを右側に掲載しているのです。右側のボタンをクリックすると、それぞれの取り組み内容や、実施報告などを閲覧できるようになっています。
参考
株式会社東京個別指導学院(TKG)
https://www.tkg-jp.com/sdgs/
【こんな企業にオススメ】
「SDGsの重要性はわかるが、まずは小さな取り組みからやってみよう」という企業の場合、SDGsの「17の目標」を軸に、コンテンツを作る方法が向いていると思います。
あまりにも壮大な目標、取り組みを実施しようとしても、企画するだけで時間がかかってしまいます。最初の1歩として、ひとつの目標を決めて、小さな取り組みからスタートして、Webサイトでの情報発信を行ってみましょう。
3:企業の「取り組み」を軸に、コンテンツを作る
もうひとつの方法は、企業の取り組みを軸にコンテンツを作る方法です。
弊社で、ある企業様のSDGsコンテンツ(自社のSDGsへの取り組みを掲載したページ)の制作をお手伝いさせている際、担当者の方がこんなことをおっしゃいました。
「日本企業はもともと社会貢献を考えている企業が多いから、改めて"SDGsへの取り組みとして何をしよう"と考える必要はないと思う。これまでの活動を整理して文章化すれば、既にSDGsのいくつもの項目に取り組んでいることになるはず」
この企業様の場合、もともとCSR、社会貢献活動に熱心に取り組んでいました。そこで、これまで行ってきたたくさんの活動、実施例を整理して、新規「SDGsのページ」を制作することにしたのです。
制作の手順は、以下の通りです。
STEP1:自社で取り組んでいることを整理し、文章化する
STEP2:自社で取り組んでいることがSDGsのどの項目に該当するかを突き合わせる
具体的な例として、パナソニックホームズ様のWebサイトをご覧ください。
例)
パナソニックホームズ株式会社
https://homes.panasonic.com/company/sdgs/
パナソニックホームズのWebサイトでは「わたしたちは、持続可能な開発目標の達成に貢献するため、さまざまな活動に取り組んでいます。」と、最初に自社の取り組み内容を書き記しています。SDGs 1~SDGs 4と番号をつけてあるので、大きく4つの取り組みを実施していることがわかります。
それぞれの取り組み(例えば、SDGs つなぐ)をクリックすると、その活動がSDGsの17の目標の中の「どの目標を満たす活動なのか」が、わかるようになっています。
このように、既に行っている取り組みを先に書き、その取り組みがSDGsのどの項目に合致するかを記すという方法で、コンテンツを作る方法もあります。
【こんな企業にオススメ】
御社で、既にCSRや社会貢献活動として行っている取り組みがあれば、その取り組みがどんな内容なのかをコンテンツ化して、結果としてSDGsのどの項目に合致するのかを書く、という方法が向いているでしょう。
また、ひとつの取り組みが、「SDGs17の目標」の複数の項目に合致するような場合も、こちらの「企業の取り組みを軸に、コンテンツを作る」の進め方が向いています。
4:まとめ~SDGsコンテンツを作ろう~
SDGs達成に向けた取り組みは、もちろん企業だけの責任ではありません。私たち一人ひとりの小さな行動の積み重ねが、世界的な目標達成につながっていることは、言うまでもありません。
それでもやはり、経済を支え、私たちの暮らしを支える企業が発信するメッセージは、私たち一人ひとりの意識や行動を変えるために、大きな影響があると感じます。
たくさんの企業が、SDGsへの取り組みをコンテンツ化し、情報発信していくことを希望します。
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