カーボンインセット

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カーボンインセット(Carbon insetting)とは、企業が事業活動を通じて排出する温室効果ガスを、自社のバリューチェーン内で削減する取り組みのことをさします。(カーボンインセッティングともいいます)
カーボンインセットの基準・ガイドラインを定める国際的な機関としては、国際インセットプラットフォーム(IPI (The International Platform for Insetting)があります。

カーボン・オフセットは、自社とは関係ない他で削減された温室効果ガス排出量(クレジット)を購入することで、自社の排出量を相殺するものです。
ただし、あくまでカーボンオフセットは補足的な位置づけです。自社の温室効果ガス排出削減(スコープ1、2、3)があわせて実施されていない場合、グリーンウォッシュ と批判されるリスクがあります。
このような背景もあり、自社のサプライチェーン全体での温室効果ガス排出量削減への取り組みが求められています。その解決策として、透明かつ効果的な温室効果ガス削減の取り組みであるカーボンインセットが注目されています。

事例として、ネスレでは、原材料の調達から製造、販売、廃棄までのバリューチェーン全体でカーボンインセットに取り組んでいます。
カーボンクレジットを使ったカーボンニュートラルはグリーンウオッシュではないか」との疑義が欧米で広がっていることが背景にあります。
植林活動、リジェネラティブ農業、サプライチェーンにおける排出量削減など、様々な方法を組み合わせ、効果的なカーボンインセットを実現しています。

スコープ 1. 二酸化炭素排出量の削減:
バリューチェーンにおける脱炭素化は Nestlé Nespresso S.A.が掲げるビジョンの重要な要素の一つです。取り組み内容には以下が含まれています。
・ネスプレッソの事業活動内における持続可能なエネルギーの利用:
すべてのネスプレッソブティックにおいて 100%再生可能なエネルギーの利用を加速。製造工程ではバイオガスの使用拡大を目指します。
・ ネスプレッソの商品とパッケージをさらなる循環型に:
リサイクルプラスチックを使用したコーヒーメーカーの製造拡大。同時にカプセルコーヒーへのリサイクル、アルミニウムおよび低炭素バージンアルミニウム使用を増加させます。

スコープ 2. コーヒー農園とその周辺地域での植樹:
樹木は大気から二酸化炭素を吸収するのに最良の方法であると同時に自然環境への投資と再生型農業システムの構築にも役立ちます。木を植えることで、必要な日陰がもたらし、収穫するコーヒーの質及び収穫量が向上します。木の根は、土壌浸食や地すべりの防止に役立ち、土壌再生を促します。
Nestlé Nespresso S.A.は NGO パートナーである“PUR Projet”と共に、コロンビアやグアテマラ、エチオピア、コスタリカなどのコーヒー豆生産国の植樹能力を 3 倍に高める予定です。

スコープ 3. 森林保全と再生の支援 (カーボン・オフセットのための取り組み):
Nestlé Nespresso S.A.はさらに、森林の保全と再生を支援し、かつ農業コミュニティ内でクリーンエネルギーのソリューションを実践するためのプロジェクトに投資します。

出典:Nestlé Nespresso S.A.(*本社プレスリリース(英語)の日本語訳)2022年までに全てのネスプレッソのコーヒーをカーボン・ニュートラルに

※2025年2月現在の情報に基づいて執筆されたものです。その後、変更されている可能性もあります。予めご了承ください 。

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