「水と生きる」を体感する、ザ・プレミアム・モルツの世界へ

2025年7月17日、東京都府中市にあるサントリー〈天然水のビール工場〉東京・武蔵野を見学してきました。

「ビール工場見学」と聞くと、何を想像しますか?できたてのビールの試飲?それとも、製造工程の迫力?
2024年春にリニューアルされた見学ツアーでは、VR体験や「つくり手ロード」の導入、試飲時間の拡大などが加わり、ビールの世界をより深く楽しめる構成に。
今回は、その見学を「サステナビリティの視点」から体験し、その魅力を探ってきました。

VR体験や「つくり手ロード」など、五感で楽しめる工夫が満載のこのツアーは、ただビールができるまでを見るだけでなく、「水と生きる」というサントリーの企業理念が、どのようにビールの製造現場で息づいているのかを体感できる貴重な機会でした。

ビールづくりの工程と、サステナビリティとのつながり

見学できる主な工程は以下の6つ。それぞれに環境負荷を減らす工夫や水の循環利用など、サステナビリティの意識が見えてきます。

1.素材選び

ザ・プレミアム・モルツは、麦芽・ホップ・天然水、すべての素材にこだわっているとのこと。

- ダイヤモンド麦芽 (試食あり。健康的な美味しい味、つまみにもなりそう)
- ファインアロマホップ(こちらは試食できないですが、匂いをかがせてもらえます)
- 地下深くから汲み上げる天然水(なんと、ビールの約90%を構成しているんです)  

→ この天然水こそ、持続可能な水管理の象徴。敷地内の水源から調達し、資源の地産地消を実現。

2.仕込

加熱された天然水に、砕いた麦芽を加えます。麦芽中の酵素の働きにより、麦芽中のでんぷんが糖に分解。そこにホップを加えて煮沸すると、ホップ特融の香りと苦みを持った麦汁ができるとのこと。

「ダブルデコクション製法」により、麦芽の旨みを最大限に引き出すします。コクのある味わあいの麦汁がつくれます。 
「アロマリッチホッピング製法」により、香りと苦みを丁寧に設計 。麦汁煮沸にアロマホップだけを使い、良質な苦みに。仕上げにファインアロマホップを投入することで、上質で華やかな香りを実現。

→  ホップの「から」を家畜の飼料として再利用することで、廃棄物を減らし、資源の循環に貢献しているとのことでした。

3.発酵 → 4.貯酒 → 5.ろ過 → 6.パッケージング  

→ 各工程でのエネルギー使用量や排水処理に対し、サントリーは「使う量を減らす(Reduce)、繰り返し使う(Reuse)、資源として使う(Recycle)」の3Rを徹底しています   。

・使う量を減らす(Reduce):資源を大切にするため、容器を軽くするなど容器の原料の使用を減らす工夫をしている アルミ缶を例にすれば、2008年にビールの缶のふた口径を小さくし、2014年にはビールやチューハイなどの低アルコール飲料の缶胴を薄くする取り組みを行っています。 ビール瓶や樽、業務用の清涼飲料びんなども繰り返し使用している リサイクル素材を積極的に使用、よりリサイクルしやすい工夫を加えています。
・繰り返し使う(Reuse):ビール瓶や樽、業務用の清涼飲料びんなども繰り返し使用しています。※当工場で該当する部分はわかりませんでした
・資源として使う(Recycle):リサイクル素材を積極的に使用、よりリサイクルしやすい工夫を加えています。リサイクル缶を使用するなど。

VRで体験する「官能検査」

五感で守る品質と情熱 見学のハイライトのひとつが、VRによる官能検査体験でした。 つくり手たちが、視覚・嗅覚・味覚などの五感を駆使してビールの品質を守っている姿を、VRスコープ越しに体験。 「人の力で守られている品質」を感じることができ、思わず引き込まれる体験でした。。VRスコープは没頭できますので工場見学に取り入れているのはとっても効果的で新鮮だと思いました。

気づきと、少しのもったいなさ

見学の最後、試飲会場へ向かう廊下には、サステナビリティの取り組みを紹介するパネル展示がありました。

※サステナビリティに関する取り組みのパネル群

自然の恵みに感謝し天然水にまでこだわるものづくりの魅力と、つくり手たちの「“世界最高峰”のビールをつくりたい」という思いをお伝えし、工場ならではの「ザ・プレミアム・モルツ」の飲用時品質をよりいっそう体感いただける場として、これまで以上に付加価値の高いビール工場体験を実現しました。

出典:サントリー〈天然水のビール工場〉東京・武蔵野 工場見学リニューアルオープン
今回の見学では、まさに、付加価値の高いビール工場体験をすることができました。

ただ、残念なのは、このサステナビリティの取り組みに関するパネル群に関して、説明は特になく、「興味のある人だけが見る場所」という扱いになっているように感じました。
なぜ残念なのかというと、今、この猛暑の中、水やエネルギーに向き合う企業姿勢は、まさに私たち生活者の関心事そのものだからです。
このパネル紹介の場所のあと、すぐに試飲会場での試飲となりますので、こんなにすばらしい製品づくり工程・作り手の強い思いを知り、最後に、”サステナビリティの取り組み”を加えることで、こんな美味しいビールを飲むことができるのだというまさに、工場見学ストーリーが完成するのではないでしょうか。
(もちろん、自然の恵みに感謝し自然を大切にしていることは、展示内容や説明で詳しく理解できます。でも、もっとアピールしても良い取り組み内容ですので。できれば、サントリーグループの活動、そして、この工場ではどんな取り組みがされているのかがわかると良いですね)

こんな暑い日だと、試飲することで、あらためて、サントリーの活動、ビールの美味しさに感謝です!
美味しいビールの裏にあるサステナビリティに関する努力を、もっと積極的に伝えてもいいのではと、強く感じました。

ここにも注目!サントリーのサステナビリティ活動

※以下、パネルの内容、および、パネルにはないネット情報から簡単にまとめると。。。。

水資源の保全
使用水量を削減し、処理水は自然に近い状態で還元 。
「水育(みずいく)」プログラムを通じて地域の子どもたちにも水の大切さを伝える。

CO₂削減への挑戦
再生可能エネルギーを積極導入。
「ザ・プレミアム・モルツ」ブランドでグリーンアルミ:サステナブルアルミ缶を採用 →通常缶と比べCO₂排出量を最大25%削減
世界初のリサイクルアルミ材100%使用缶を採用  → 通常缶と比べCO₂排出量を最大60%削減

資源循環の実現 工程で出るホップの「から」などを飼料とするなど、再利用 工場内の廃棄物は100%再資源化を目指す

地域との共生
府中市と2050年ゼロカーボンに向けた協定を締結 ペットボトルの「ボトル to ボトル」水平リサイクル協定にも参加。

【ご参考】 サントリーグループのサステナビリティに関する情報はこちら
https://www.suntory.co.jp/company/csr/

「CO₂削減缶」、実は家にありました!

工場では購入できませんでしたが、以前購入したリサイクルアルミ缶(CO₂削減缶)を家で発見。CO2排出量を25% 削減することができる缶です。
グリーンアルミを使用した缶の導入として、2024年1月に、「ザ・プレミアム・モルツ」ブランドでグリーンアルミを使用した缶を導入し、数量限定で発売したものでした。

まとめ:視点を変えると学びが変わる、 サステナビリティ視点が教えてくれたビールの奥深い世界

サステナビリティの視点から工場を見学すると、製造の裏側にある「地球への配慮」や「地域との連携」が自然と見えてきます。

見学中は、知りたいことが次々と湧いてきて、ついつい質問を・・・(もちろん見学の妨げにならないように配慮して)。

あなたも体験してみませんか?
サントリーのビール工場見学(東京・武蔵野)
▶ 詳細・予約ページ:https://www.suntory.co.jp/factory/musashino/  
ネット予約が終了していても、電話予約枠が空いている場合があります。ネットで確認できます。

サステナビリティの視点を持つと、工場見学が「社会を知る体験」に変わります!

ぜひ、夏の一日、足を運んでみてください。

執筆:シェダルコンサル担当/サステナビリティ(SDGs) メッセージ・リンク集なども作成しています

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