株式会社巧測 代表取締役 山下竜氏

東京都の奥多摩にある「株式会社巧測」様に訪問させていただき、測量についてお話を聞いてきました。

測量というと、皆さんはどんなイメージをお持ちでしょうか?

私は、親しい知人が学生時代にアルバイトしており、当時「山での測量は過酷だったけど、バイト代が高かったよ」と聞いたことがありました。ただ、現場を見たことがないので、私の測量への記憶は、街なかで見かけるこんなイラストのイメージしかありませんでした。

  • 測量とは、土地や道路の地形を調べる仕事
  • こちら側とあちら側に立って、距離や高さを測ること
  • アナログな世界?

測量の会社「株式会社巧測」様に伺い、測量への印象はどのように変わるのでしょうか?


デジタルもドローンも? 測量ってどんな仕事?

デジタル機器に囲まれて…

株式会社巧測様にお邪魔すると、代表の山下さんが、机の上にたくさんの機材を並べてくださいました。

それほど大きくない機材ですが、どれも手に持ってみると、とても重く、両手でも持ち上げられないものもありました。

山下さん「実際は、これらの道具を担いで現場に行って、道路や建設予定地などに三脚を立てて、距離や広さ、高さ、角度などを測ります」

山下さんは、事務所内で機材を使って、実際にレーザーの光を飛ばし、機材のモニタ画面に「距離や高さ」が表示されるところを見せてくださいました。

光が向こう側に届き、その反射で計測し、瞬時にデータ化される仕組みです。

レーザーで取得したデータは、「点」のデータとしてパソコン上に送られ、そこからパソコンを使った作業へと移行します。

CADのようなソフトを使って、点をつなぎ、線を結び、断面図を作ったり、3Dの設計図になったりもします。

現場でデータを取得するだけでなく、その次の工程で使いやすいように、データを加工するのも測量の仕事の一部です。

ドローン撮影からパソコンでのデータ加工まで

山下さん「最近は、ドローンでの測量も増えています。正確さ、効率を考えると、これからは社内でもドローンのパイロットを増やしていきたいと思っています」

ドローンがあれば、人が入れない場所でも上空から安全に撮影することができます。カメラも高機能となり、かなり高いところからの撮影も可能とのこと。

ドローンの操縦、さまざまなデジタル機器を扱うのも、測量のだいご味であり、むずかしさかもしれません。

山や森を測る!われわれにしかできない測量を追求

山下さん「うちは奥多摩に拠点があるので、奥多摩の山や森の測量を多く手がけています。むしろ、山や森を専門にしていきたいと思っているんです

事務所には、最新の電子機器のほかにも、木材やロープ、ヘルメットといった道具類が所狭しと並んでいました。

どれも年季の入った実用品ばかり。計測機材に加えて、これらの道具も背負って山に入るのですから、現場に向かうだけでも、相当な労力がかかります。

山下さん「われわれが行くのは、登山道ばかりじゃありません。木々をかき分けて入っていくような、整備されていない斜面も多いんです

GPSも活用しますが、紙の地図も手放せません。日が暮れる前に山を下りる必要があるので、事前にしっかり計画を立てて、効率よく作業することも大事なんですよ」

写真も拝見しましたが、木々や草が生い茂る中、険しい急斜面にも果敢に踏み込んでいくのですね。

「自然と人が調和した明るい社会の実現を目指します」(山下氏)

普段、あまり表に出ることのない「測量」という仕事。

こうして山の中で、コツコツと蓄積されたデータが、道路や橋、林業、防災など、私たちの暮らしの基盤を支えていることを知りました。

山下さんが代表挨拶で書かれている通り「測量は、ものができる過程の、初めの一歩」になっていることも、今回教えていただき、勉強になりました。

▼株式会社巧測 公式HP
https://www.kousoku-svy.com/

まとめ)測量は「測ることで、未来を描く仕事」

今回、株式会社巧測を訪問し、代表の山下さんのお話をお聞きして、測量という仕事が、サステナビリティそのものだと感じました。

株式会社巧測の企業理念にもあるとおり、測量は「自然と人が調和した未来への懸け橋」となり、私たちが安心して暮らせる社会を作る「初めの1歩」であると学びました。

ちょっと考えただけでも・・・

測量は、道路、住宅、橋、ダムなど、私たちの生活を支えてくれる、さまざまなインフラ整備の出発点です。施工のためには、正確な位置情報が不可欠で、測量はまさに産業を支える基盤技術ですよね。

測量データは、災害リスクの把握や、防災計画の立案にも活用できます。気候変動による自然災害が増加しているなか、測量が、地域の防災力を高めるツールになると思いました。

森林の測量は、「森のCO2吸収量」を正確に算定するためにも必要です。地形の変化を定期的に把握することは、気候変動対策の重要な取り組みとなります。

測量では、あらゆる場所の境界線を調べます。山を正しく知ることが、地球資源を把握することにつながり、森の破壊を防止することにもつながるのではないかと思います。現状を知ることが、最初の1歩であることを実感しました

山や森林、大切な地球を守るためも、人が山に入り、土地を調査、測量する仕事が大切です。

測量は「はじまりを作る仕事」、そして私たちの未来を描く仕事なんですね。

こういった素晴らしい仕事を、もっともっと、社会に広めていきたいなと思いました。

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