CSRD

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CSRDは、Corporate Sustainability Reporting Directiveの略で、EUにおける企業サステナビリティ報告指令の略称です。この報告指令は、企業が環境や社会、ガバナンス(ESG)に関する情報を透明かつ一貫して報告することを求めるもので、持続可能な経済発展を目指しています。

EUでは、2019年12月に公表された「European Green Deal」を通じて、2050年までに気候中立(Climate Neutral)を達成することを目指しています。これは、温室効果ガスの排出を極力削減し、残余の排出を相殺することで、実質的なゼロ排出を実現しようとする取り組みです。

この「European Green Deal」の一環として、2023年1月、非財務報告指令(NFRD)が刷新され、企業サステナビリティ報告指令(CSRD)が発効されました。CSRDの目的は、EU域内の企業が持続可能性に関する情報をより透明に公開し、金融機関、投資家、および広く一般の人々がこれらの情報を比較し、信頼できる形で利用できるようにすることです。

CSRDには以下のような特徴があります。

  • EUサステナビリティ開示基準(ESRS)という、開示基準を設けており、企業はESRSの基準に沿った情報開示が義務化されます。ESRSとは、企業が環境や社会、ガバナンス(ESG)に関する情報を公開するためのルールのことです。
    企業がどれだけ持続可能な活動をしているかを透明にするために作られています。
    企業が環境にどれだけ配慮しているか、どんな社会貢献をしているか、どのように管理されているかを明らかにすることになります。
  • 開示された情報が「信頼できるものである」ことを証明するための“第三者保証”が義務化されます。
  • 開示ポイントとして、ダブルマテリアリティの考え方が重要となっています。
    企業が環境と社会に与える影響(環境・社会的マテリアリティ)と、環境と社会が企業に与える財務的影響(環境・社会的マテリアリティ)の2つの側面からとらえる必要があります。

これにより、投資家やその他の利害関係者は企業の持続可能性に関する状況を正確に把握し、より持続可能な経済活動への投資判断が可能になります。企業もまた、より持続可能な経営を実現するための指針としてCSRDを活用することができます。

日本企業もEUに大企業に該当する子会社があった場合、早ければ2025年の会計年度から報告の対象になります。
また、2028年以降には売上高等の規模により対象企業に該当する場合には、報告の対象となります。

ウォールストリート・ジャーナルによれば、少なくとも1万社の外国企業が影響し、日本企業は約8%(約800社)、と言われています。

※2025年1月現在の情報に基づいて執筆されたものです。その後、変更されている可能性もあります。予めご了承ください。

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