人的資本

人的資本とは(一言でいうと)

社員を「コスト(費用)」ではなく、価値を生み出す「資本(宝)」と捉える考え方のことです。

はちどり先生

「材料」ではなく「財産」という意味を込めて、「人材」ではなく「人財」と表記する企業も増えています。「人的資本」は、今、最も注目されている開示項目の一つです。

キーワード解説

これまで、社員に支払う給料や研修費は、会計の世界では「コスト(削るべき費用)」として扱われてきました。しかし、新しい経営のあり方では、社員を「投資して育てることで、将来の利益を生み出してくれる大切な資本」と考えます。これが「人的資本」です。

企業が新しいサービスを作ったり、技術を磨いたりできるのは、すべて「人」がいるからです。

  • 人への投資:研修制度、リスキリング(学び直し)、多様な働き方の推進
  • 組織の力:多様な価値観(ダイバーシティ)、働きがい、エンゲージメント(会社への愛着)

「どんなに立派な設備があっても、それを動かす人が育っていなければ、企業は成長できない」という考え方が、今や世界中のスタンダードになっています。

統合報告書を読み解くヒント

統合報告書には、必ず「人的資本」や「人財戦略」のページがあります。そこでは、数字だけでなく「写真」や「社員の言葉」にも注目してみましょう。

チェックポイント

  1. 戦略とのつながり
    企業の「目指す姿(ビジョン)」を達成するために、どんなスキルを持った人を、どう育てようとしているか具体的に書かれていますか?
  2. 独自のデータ
    離職率や女性管理職比率といった一般的な数字だけでなく、その会社独自の「働きがい」を示す指標があるか探してみましょう。
  3. 社員の声
    現場の社員が、自分の言葉で挑戦や成長について語っているかチェックしましょう。

ワンポイント

はちどり先生

人的資本のページは、ここで働く人たちへの「招待状」のようなもの。研修費用の金額だけでなく、その会社が「どんな人を求めていて、どう支えてくれるのか」という姿勢を読み取ってみよう。