
シェダルでは、株式会社山櫻様にて、「はじめてのコンポスト講座」を行いました。
コンポストとは、微生物の力で生ごみを分解して、たい肥を作る容器のこと、またはその仕組みのことを言います。
コンポストを利用することによって、生ごみを「ごみ」として廃棄するのではなく、土に還し、資源として再利用できるようになります。ごみの削減、CO2排出量の削減、土壌改良など、環境問題、社会問題の解決につながるため、家庭、自治体、学校、そして今回の山櫻様での取り組みのように企業でも注目されています。
企業でコンポストを扱う場合、2種類の活用方法があります。
1. 企業内で活用
オフィスや工場、社員食堂などにコンポストを設置し、社内で発生する生ごみを堆肥化する方法です。社員食堂で出る生ごみ、事務所で出るコーヒーかすなどをコンポストに投入して、資源として再利用することができます。作られた堆肥は、社内の緑化活動や地域の農業支援に活用でき、企業のサステナビリティ推進にもつながります。ごみの廃棄コスト削減、CO2排出量の抑制にも貢献できます。
2. 社員の家庭で活用
もうひとつの方法は、社員がそれぞれ家庭でコンポストを実践するケースです。社員が日常生活の中で生ごみの循環を体験することで、環境問題を「自分ごと」として意識しやすくなります。家庭でのコンポスト体験を社内に共有することによって、社員同士で環境意識を高め合い、企業文化として根付くことも期待できます。サステナビリティ社内浸透への取り組みのひとつとしても、注目が高まっています。
今回は「社員の家庭で活用」する前提で、コンポスト講座を実施しました。
研修の概要
項目 | 内容 |
---|---|
タイトル | はじめてのコンポスト講座 |
目的 | ・企業のサステナビリティ推進の一環 ・コンポスト体験を通して、環境問題、廃棄物の問題、リサイクルなどについて学ぶ ・社員のサステナビリティへの関心を高め、業務や自社の取り組みに反映させる |
開催日時 | 2025年2月27日(木)14時~16時 |
講師 | 株式会社シェダル 代表取締役 福田多美子(LFCコンポストアドバイザー) |
参加人数 | 6名 |
場所 | 株式会社山櫻 本社 (オンラインあり) |
はじめてのコンポスト講座
今回、はじめてのコンポスト講座を受講していただいたのは、東京都中央区にある株式会社山櫻様です。
株式会社山櫻様のサステナビリティへの取り組み

株式会社山櫻様は、「出逢ふをカタチに」を事業ドメインとして、すでにさまざまなサステナビリティへの取り組みを行っています。
2050年までの全事業活動のカーボンニュートラル達成、2025年までの規格品95%エシカル化を目指し、環境問題への取り組みや、地域社会への貢献活動なども積極的です。
創業当時から、名刺、封筒などの紙製品を扱う事業を行っていましたが、はやくからFSC認証紙、バナナペーパー、リサイクル素材などの環境配慮型の製品を数多く開発し、CO2削減、循環型社会に向けた取り組みも行い、今後ますます、社員一丸となってサステナビリティ推進をリードしていく会社様です。
今回は、役員、管理職、社員の方々を中心に、まずは有志からということで、コンポスト生活を体験してみることになりました。
コンポストをはじめるきっかけは?
最初に、参加者のみなさんに、コンポストをはじめるきっかけ、意気込みを聞きました。
「もともと、エシカルに興味がありました。弊社でバナナペーパーを作ってもらっている会社さんで、ミミズコンポストを知りました。やりたいと思ったのですが、自宅が賃貸なので、できるかな?という不安があり断念・・・。今回、LFCのバッグ型のコンポストを知って、会社も勉強会を実施してくれるというので、すぐに手を挙げました」
「ご近所さんの紹介で、生ごみ乾燥機を買ったんです。スイッチを押すと生ごみをカラカラに乾燥させられます。でも、コンポストを使うと、生ごみをたい肥という資源に変えて、家庭菜園で使えるという循環が実現できる。生ごみ乾燥機は高かったんですが(笑)、コンポストのほうが地球にやさしいのでは・・・と興味をもちました」
社内の推進とはいえ、「上司にやってみなさい」と言われた人はひとりもおらず、全員、自分からやってみたいと手を挙げた方ばかりでした。

「はじめてのコンポスト講座」

みなさんに使っていただくコンポストは、LFCコンポストです。シェダル代表・福田は、LFCのコンポストアドバイザーの資格を取得し、講師としての活動も行っています。
まずは、コンポストの概要、使い方、入れて良いものダメなもの、分解の仕組み、微生物の話、虫の話、たい肥の活用方法などについて、スライドを使いながら説明を行いました。
福田自身、日々コンポストを活用して、シェア畑での野菜作りの経験もあるので、体験や失敗談を交えてリアリティのある内容になりました。
また、地域活動として行っている「くにたちコンポスト部」の活動や、LFCが行っている「たい肥回収会」などのイベントの紹介も行いました。
実践!コンポストを使ってみよう!
スライドによる説明のあとは、各自コンポストバッグを使って、初めてのコンポスト体験です。
休憩時間にみかんとバナナをいただき、生ごみの準備もOK。さっそく「バッグに基材を入れて、生ごみを投入して軽く混ぜる」ところまでを実践していただきました。
今回のポイントは、3つ。
・微生物が分解しやすいように、生ごみを小さくカットすること
・生ごみが少ないうちは、「水分、栄養、酸素」の3つバランスを保つために、中央に小さな穴を掘って狭いエリアから始めること
・生ごみに、基材がしっかり付着するように、やさしく混ぜること










全員が、ひととおりの体験をすることができました。
各家庭でのコンポスト生活がスタート
この日、参加者全員が、コンポストバッグを電車に乗せて持ち帰り、さっそく家族の方々と、コンポスト生活をスタートさせています。
「帰宅して、1日目の生ごみを投入しました」「目安を知るために、生ごみの量を測ってみました」「子どもたちと一緒に、コンポストを混ぜました」「ベランダに設置完了」などの声が届いています。
今後は1~2カ月のコンポストの活用をしていただき、熟成してたい肥を作り、たい肥を活用していくところまで、シェダルにて伴走させていただく予定です。






まとめ:なぜ、社員研修として「コンポスト講座」を行うのか?
近年、多くの企業が、サステナビリティへの取り組みを強化しています。企業ごとに、サステナビリティ方針を掲げ、ESGへの取り組みを推進しています。社内浸透のために、社員研修や勉強会などを実施する企業も多くなっていますが、一方で、社内浸透に課題に感じている企業も増えています。
- 「頭では理解しているが、自分ごと化できない、当事者意識をもてない」
- 「サステナビリティへの取り組みは重要だと思うが、腑に落ちない」
サステナビリティの重要性を学び、企業として取り組むべき課題であることは理解していても、それが自分の業務や日常とどう結びつくのか、実感が湧かないのです。
さらに、研修やセミナーはその場限りになりがちという問題もあります。知識としては身についても、実際の行動につながらなければ、企業のサステナビリティ活動としての成果は限定的です。特に、日々の業務に追われている社員は、環境活動を直接体験できる機会が少ないため、知識と実践の間にギャップが生じてしまいます。
では、どうすれば社員が「実感」とともに学び、行動につなげられるのか? その答えの一つが「コンポストの体験」です。
社員で、コンポスト生活を体験してみよう
コンポストは、生ごみを「捨てる」のではなく、「資源として活用する」プロセスを実際に体験できる取り組みです。社員が自ら手を動かし、食品廃棄物が微生物の働きで堆肥に変わる過程を目にすることで、サステナビリティが「知識」から「実感」に変わります。
企業での日常業務において「循環の仕組み」を体感する機会は多くありません。コンポスト生活は、「自分たちの身の回りにある資源をどう活かすか?」を考えるきっかけを与えます。座学だけでは伝えきれない「環境を考え、行動することの大切さ」。それを、体験を通じて学べる場として、企業でのコンポスト講座をご提案します。この学びが社員の意識を変え、企業のサステナビリティ推進の一助となることを期待しています。
御社でも、コンポストを始めてみませんか? お気軽にご相談ください。
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