社長メッセージ

「子育てと仕事を両立して、社会の役に立ちながら、自らも成長し続けたい」

いまでは、あたりまえの考え方ですが、私が長男を出産した1994年ごろは、出産や育児を理由に退社、仕事をあきらめる女性が多くいました。

私自身、長男出産のタイミングで、会社を辞め、当時では珍しかった在宅ワーク（マニュアル制作／ホームページ制作）で、かろうじて「社会とのつながり」を作り、それを守ることで必死でした。

「こうちゃんママ」と呼ばれることに違和感があり、「福田さんの奥さん」と声をかけられ抵抗したこともありました。自分が自分らしく、「福田多美子としてありたい」と思うことが、仕事へのモチベーションになりました。

■サステナビリティ／SDGsとの出会い

子育てから少しずつ解放され、仕事もプライベートもアクセル全開、自分のためだけに使える多くの時間も増えていきました。

ところが、自由な時間を過ごせば過ごすほど、気候変動、自然災害、少子高齢化、ジェンダー、ごみ問題、食品ロスなどさまざまな社会問題に、敏感になっていく自分を感じました。

大きなきっかけとなったのは、友人に誘われて行った石坂産業株式会社（埼玉県にある産業廃棄物処理工場）の工場見学でした。かつては地域から「出ていけ」と大バッシングを受けていた会社が、いまでは地域の人々が集う里山を育てながら、98％のリサイクル率を達成。それまでの長く厳しい物語を知り、私も変わりたい、何かしなければ・・・という焦りのような気持ちが湧き上がりました。

もうひとつは、長男が、子ども（娘）を授かったことでした。新型コロナウイルス感染症にびくびくしながら妊娠、出産、育児を経験している若い世代がいます。生まれたばかりの小さな手は、好きなものを触れることも許されず、マスクとアルコール消毒のある日常を送っている人もいます。少子化の日本だからこそ、若い人たちが、誰でも自由に、好きなことにチャレンジできる社会を作っていきたい。そのためにできることはないだろうか、と考えるようになりました。

これまでは、「子育てをしながらでも、働きたい」「自分の成長、自己実現をしたい」といった、どちらかというと自分自身のために仕事をしてきた私ですが、これからは社会のために何ができるのだろうか？　若い世代が活躍できる社会を実現したい、そんなふうに考えるようになりました。

家庭や地域でできることも、たくさんありました。コンポストをひろめる活動や、地域の清掃活動、市民農園やシェア畑などの活動を通して、「楽しくなければ、持続可能ではない」ということも学びました。

ビジネス面では、2020年ごろから企業向けのSDGs／サステナビリティ推進事業をスタートしました。コンサルティング、コンテンツ制作、社員研修を軸に、さまざまな業界の企業さまといっしょに、持続可能な社会に向けた取り組みを行っています。

シェダルでは、次のようなビジョンを掲げています。

「知らないを知るに変えることで、人々の行動を変え、社会を変える」

「知る」ことの価値は大きく、「知った」ことで生まれるエネルギーは無限大です。

私自身、知らなかったさまざまな社会問題を知り、情報収集していきながら、新しい会社（株式会社シェダル）を立ち上げるほどのエネルギーを得て、いまも情熱にあふれています。

人によって、ビビッと衝撃を受けるテーマはそれぞれで、タイミングもバラバラだと思います。シェダルの活動が押し付けになることなく、「誰かの小さなきっかけ」になれるよう、精進していきたいと思っています。

子育て中もずっと「仕事」にこだわってきた私たちです。これからも仕事を通して、若い世代が希望をもてる社会、誰もが輝ける未来を作っていきます。

株式会社シェダル　代表取締役
福田多美子