TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)
TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース) とは、「Task Force on Climate-related Financial Disclosures」の略称で、企業に対して気候変動問題に関する取り組みや情報開示を求める枠組みです。「TCFD提言」とも言われます。
2015年、世界各国の中央銀行や財務省、世界銀行、IMF(国際通貨基金)などが参加する金融安定理事会(FSB)によって2015年に設立され、企業に「ガバナンス」「戦略」「リスクと管理」「指標と目標」の4項目について気候変動がもたらす財務的な影響を把握、開示することを推奨しています。
地球温暖化などが深刻化する中、持続的な活動ができる企業の取り組みは必要不可欠です。またそうした取り組みの資金源ともなるESG投資には、世界中から注目が集まっており、投資家が投資判断をする上でもTCFDは重要な指標となります。
日本においても各省庁がTCFDに賛同しており、動きが加速しています。
2022年4月4日の東京証券取引所の再編により、プライム市場に上場する企業は、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に基づいた気候変動に関する情報開示が実質的に義務化されました。
また、2023年1月31日、企業内容等の開示に関する内閣府令等の改正により、有価証券報告書等において、「サステナビリティに関する考え方及び取組」の記載欄を新設し、サステナビリティ情報の開示が求められることとなりました。
有価証券報告書におけるサステナビリティ情報の「記載欄」では、「ガバナンス」及び「リスク管理」については全ての企業が開示し、「戦略」及び「指標及び目標」については各企業が重要性を判断して開示する、ということになっています。
あわせて、有価証券報告書等の「従業員の状況」の記載において、女性活躍推進法に基づく女性管理職比率・男性の育児休業取得率・男女間賃金格差といった多様性の指標に関する開示も求められることとなりました。
- ガバナンス
サステナビリティ関連のリスク及び機会に対するガバナンス体制
(取締役会や任意に設置した委員会等の体制や役割等) - 戦略
サステナビリティ関連のリスク及び機会に対処する取組み
(企業が識別したリスク及び機会の項目とその対応策等) - リスク管理
サステナビリティ関連のリスク及び機会を識別・評価・管理するために用いるプロセス
(リスク及び機会の識別・評価方法や報告プロセス等) - 指標及び目標
サステナビリティ関連のリスク及び機会の実績を評価・管理するために用いる情報
(GHG排出量の削減目標と実績値等)
次のコラムも、あわせてお読みください。
金融庁編「サステナビリティ/ESG対応の鍵」最新動向とその活用術
経済産業省編「サステナビリティ/ESG対応の鍵」最新動向とその活用術
国土交通省編「サステナビリティ/ESG対応の鍵」最新動向とその活用術
※2025年1月の情報に基づいて執筆されたものです。その後、変更されている可能性もあります。予めご了承ください。

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