ここがポイント(シェダル考察)

UCC上島珈琲株式会社は、コーヒーの栽培から製造、販売、そして業務用サービス事業、外食事業(カフェ運営)、珈琲マシン事業、地域・戦略事業、海外事業までを一貫して手掛けています。レギュラーコーヒー、インスタントコーヒー、ドリップコーヒーなど多岐にわたるコーヒー製品を展開しており、さらに紅茶やコーヒー器具、輸入食品といった関連商品の卸売・販売も行っています。「より良い世界のために、コーヒーの力を解き放つ。」という存在意義のもと、地球の自然環境保護や持続可能な社会の実現を目指し、「カップから農園まで」という独自のバリューチェーンを通じて、品質はもちろん、コーヒー産業が抱える課題や持続可能性にも配慮した様々な取り組みや原料調達を行い、国内外で活動を展開しています。

サステナビリティのベースとなっている、「パーパス&バリュー」ページでは、図・イラスト・写真・動画を効果的に活用し、企業の理念を視覚的に魅力的かつ分かりやすく伝えています。自社の理念をWeb上で表現する際、非常に参考になる良い事例と言えます。

サステナビリティページは、「サステナビリティストーリー」と「サステナビリティビジョン」で大きく構成されています。「サステナビリティビジョン」では、以下の点が分かりやすく説明されています。

・マテリアリティ(優先課題)の選定プロセスとその重点領域: どのような基準で優先すべき課題を選び出したのかが示されています。その中でも特に、「森林/生物多様性の保護」「気候変動への対応」「コーヒー農家の生計向上」といった具体的な取り組みが重視されている点が明確です。
・サステナビリティ・フレームワーク:サステナビリティをどのように捉え、グループ全体でどのように取り組んでいくかという基本的な枠組みが示されています。
・ガバナンス体制: サステナビリティ目標の達成に向けて、グループ全体での課題解決・進捗管理・監督の体制が整備されています。
・バリューチェーン全体での取り組み: 生産国から消費国に至る広範なバリューチェーンの各段階において、どのようなサステナビリティ活動が実践されているかが示されています。
・具体的な目標と取り組み内容: それぞれの課題に対して、どのような目標が設定され、どのような活動が行われているかが具体的に説明されています。

コーヒー業界共通のリスクとして、気候変動や森林破壊、小規模農家の脆弱性があげられます。UCCグループでは直営農園の活用や農家支援プログラムなどより、これらの課題に対応しており、業界標準を上回る信頼性の高いアプローチを実施していると言えます。
直営農園は、コーヒーの未来を見据えた新たな価値の創造や、気候変動に対応する農法の導入など、コーヒーを取り巻く様々な課題に対応するサステナブルな農業の実証拠点として位置づけられています。
森林破壊ゼロの実現、循環型農法、水素焙煎の導入など、国際的にも先進的な取り組みが展開されており、認証団体との連携によるラベル表示や、教育プログラムの導入といった面でも、他社との差別化が図られています。

会社情報

運営主体UCC上島珈琲株式会社
名称 UCCのサステナビリティ
URLhttps://www.ucc.co.jp/index.html
URL(サステナビリティ/SDGshttps://www.ucc.co.jp/company/sustainability/
所在地兵庫県(神戸本社)、東京都(東京本部)
カテゴリ食料品

※2025年6月現在の情報に基づいて執筆されたものです。その後、変更されている可能性もあります。予めご了承ください 。

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