人的資本

人的資本 (Human Capital) とは、個人の持っている能力やスキルなどを企業の経営資源のひとつとして捉える概念です。

日本では、2020年9月に経済産業省が公表した報告書「人材版伊藤レポート」をきっかけに、人的資本の重要性が注目されるようになりました。

従来の日本企業は、「人材は資源」であり人材にかけるお金はコストといった「人的資源(Human Resource)」の考え方が主流でした。

同レポートでは、「人材は資本」であり、人材への投資はコストではなく企業の持続的成長に貢献するもので、「人的資源」から「人的資本」にシフトする必要性が伝えられ、人的資本の価値を最大限に引き出すことで中長期的な企業価値向上につなげる「人的資本経営」について、わかりやすく解説されています。

2022年5月公表の「人材版伊藤レポート2.0 」には、企業が人的資本経営を行う際のポイントや実践事例などがまとめられました。

政府は、2023年3月期決算から、上場企業などを対象に「人的資本の情報開示」を義務化しました。対象企業は、人材育成、ダイバーシティ 、労働慣行、コンプライアンスなど7分野19項目について、有価証券報告書に非財務情報として記載する必要があります。

経済成長や働きがい、多様性の尊重といったことにつながる人的資本経営は、SDGs のゴールとも深く関わりのある取り組みです。

※参考:経済産業省
https://www.meti.go.jp/policy/economy/jinteki_shihon/index.html

※2023年4月現在の情報に基づいて執筆されたものです。その後、変更されている可能性もあります。予めご了承ください 。

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