選ばれる会社になるための「小さなサステナ」の始め方

シェダルの福田です。私は、企業や地域のサステナビリティ推進を支援するかたわら、LFCコンポストアドバイザーとして、生活の中でできる「小さな循環」の実践と普及に取り組んでいます。

この写真は、都内IT企業様のイベントにコンポストを持っていき、みなさんのお弁当の食べ残しをコンポストに入れていただいたときのものです。ただただコンポストが好きで、押しかけたような形になってしまいましたが、多くの方に、興味を持っていただくことができました。

このたび、LFCコンポストの生みの親である、たいら由以子さんの新刊『おいしい循環 生ごみを捨てない暮らし』を読み、改めてたくさんの気づきをいただきました。

美しくて、おいしそうで、くすっと笑える!

最初にこの本を手に取ったとき、思わず「わあ」と声が出そうになりました。ページをめくるとすぐに飛び込んでくる、色鮮やかな写真と、温かみのあるイラストたち。

特に目を奪われたのは、季節ごとに紹介されている「ランチの写真」。どれもおいしそうで、レストランのメニュー写真のように美しく、しかもレシピまで載っています。見て楽しい、作って試したくなる、そんな構成になっています。

なかでも私が見入ってしまったのは、「ランチの設計図」というページ。たいらさんとスタッフのみなさんは、ランチを作る前に「食べたいもののイメージ」をイラストで描いてから調理するそうです。なんて斬新な!

その絵には、なんと「友人が捕獲した」というイノシシまで登場。かわいいイラストと、ちょっとした野生感が混じっていて、思わずくすり。気づけば何分もじーっと眺めていました(笑)

キーワードは「半径2キロの栄養循環」

私が初めてたいらさんのお話を聞いたのは、LFCコンポストアンバサダー養成講座のときでした。コンポストの使い方を学ぶ講座だと思っていたのに、講座の冒頭で出てきたのは、意外にも「半径2キロの栄養循環」というお話。

「えっ? 半径2キロってなに?」「栄養循環って、どういうこと?」

当時の私は、コンポストの知識なんてほぼゼロ。だからこそ、この言葉が心に残りました。そして、「小さな暮らしの中で、こんなにも意味のある循環ができるんだ」と知ったとき、不思議なワクワク感があり、今もそれは続いています。毎日コンポストを混ぜながら、小さな栄養循環に取り組んでいる自分を誇らしく思います。

本書でも、「私たちの生活圏」と題されたページがあります。そこには、中心の自宅から半径ゼロ、2キロ、5キロ、30キロと、広がっていく生活範囲がイラストで描かれていて、この循環の輪が、日本全国にひろがっていくのが想像できて、またここでもワクワク感!

たくさんのコンポストユーザーさんが、同じ未来を描けているんじゃないかなと思いました。

「ごみのゆくえ」をイメージしてほしい

「問題です。みなさんのご家庭で出る生ごみ。何パーセントくらいが、水分だと思いますか?」

これは、私たちコンポストアドバイザーが、コンポスト講座で必ず投げかける質問です。

答えは「約90%が水分」。

家庭から出る生ごみの大半が、実は「水」なんですね。毎日出るこの「水分たっぷりの生ごみ」を、私たちは高温で焼却し、そのために、大量の燃料と税金を使って、結果として二酸化炭素を排出しているという始末。

この矛盾。「このやり方、本当に続けていいの?」

なにか1歩踏み出したいなと思ったとき、私の場合はコンポストでした。

全員がコンポストである必要はないと思うんですよね。なにか小さな1歩を踏み出すために、「ごみのゆくえ」は大きなヒントになるはずです。

コンポストの旅は「家族の物語」から始まった

このペースで感想を書いていくと、いつまでも終わらないし、ネタバレになってしまうので、最後のほうに飛んでいきましょう(笑)

読み進めていくうちに、第6章で空気がガラリと変わります。ここだけ紙の色が異なり、写真もモノクロに。まるで「もうひとつの本」が始まったかのような演出です。

この章では、たいらさんのご家族とのエピソードが綴られています。お父様の余命宣告をきっかけに「食べること」に向き合い直したこと。お母様、ご主人、娘さんたちへの愛情があふれる描写に、読んでいて何度もうなずきました。

どんなに活動的でパワフルに見える人でも、原点は「個人的な感情」にあるのだと気づき、共感しました。

そして何より、「特別な人だけが社会を変えられるんじゃない。私たち一人ひとりが、自分の想いから始めていいんだ」と背中を押してくれる内容でした。

本書を読んで、いろんな「原点」を思い出したんですよね。よかった。

『おいしい循環 生ごみを捨てない暮らし』は、コンポストの実用書としても、暮らしのエッセイとしても、何度も読み返したくなる一冊です。

たいらさんの本はこちらから購入できます。ぜひ、読んでみてください。

『おいしい循環 生ごみを捨てない暮らし』
https://www.amazon.co.jp/dp/4829210761/

次の記事も、あわせてご覧ください。

コラム
統合報告書を読もう
Read more
コラム
サステナビリティ推進担当の仕事内容とは?7つの業務をわかりやすく解説
Read more
サステナビリティ研修の座学
社員研修(サステナビリティ/ESG/SDGs推進支援)
Read more

お問い合わせ

ご質問・ご相談などお気軽にお問い合わせください