USAID
USAIDとは、米国国際開発庁のこと。海外への経済援助や人道支援を目的として設立された、アメリカ合衆国政府の独立機関のことです。
※読み方は、ユーエスエイド
1961年にジョン・F・ケネディ大統領によって設立され、世界中の発展途上国に対し、貧困削減、経済成長、民主主義の推進、人道支援などの幅広い分野で活動してきました。
現在では、世界的に大きな影響を及ぼす機関となっています。
2023会計年度は約400億ドル(約6兆2000億円)の予算を運用、支援額の大きなものとして、ウクライナ支援があります。
USAID(米国国際開発庁)設立の背景
第二次世界大戦後、アメリカ合衆国とソビエト連邦の間で冷戦激化。ロシアの世界での影響力を阻止しようと、開発途上国への経済援助を通じ、アメリカの影響力を維持しようとしました。また、 第二次世界大戦後、多くのアフリカ、中南米などの国々が独立したものの、貧困や飢餓、疾病など多くの問題を抱える状況でしたので、これらの問題解決支援を行うことで、開発途上国に貢献しようとしました。このような背景のもと、USAIDは設立されました。
トランプ大統領の方針(批判的)
トランプ大統領は、USAID(米国国際開発庁)に批判的な立場をとっています。以下に、関連するニュースを記載します。
2025/2/5
トランプ大統領は、以下のような見解を述べ、トランプ大統領の下で、このような無駄、詐欺、乱用は終わると主張しています。
ホワイトハウスのニュースサイトの要約は、以下のとおり。
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USAIDでは、無駄と乱用が根深く存在する。
官僚の個人的なプロジェクトに多額の資金が投入され、監視体制が整っていないためだ。セルビアの職場における多様性推進、アイルランドのDEIミュージカル、ベトナムの電気自動車、コロンビアのトランスジェンダーオペラ、ペルーのトランスジェンダー漫画、グアテマラの性転換手術とLGBT活動、エジプトの観光、テロ組織に関連する非営利団体への資金提供、武漢研究所に関与したEcoHealth Allianceへの資金提供、シリアのアルカイダ関連戦闘員への食事提供、発展途上国での個別化された避妊具の印刷、アフガニスタンのケシ栽培とヘロイン生産を支援するための灌漑運河、農業機器、肥料への資金提供など、無駄遣いの事例は枚挙にいとまがない。
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出典:ホワイトハウス
その後、アメリカのトランプ政権で政府支出の削減策を検討する組織のトップを務める実業家のイーロン・マスク氏は、海外援助を管轄する国務省傘下のUSAID=アメリカ国際開発庁について、トランプ大統領が閉鎖に同意したと明らかにしています。
2025年2月8日
なお、2月8日の時点では、ワシントンの連邦地裁は、トランプ大統領の計画を一時的に差し止めています。
米首都ワシントンの連邦地裁は7日、アメリカの対外援助を担う国際開発局(USAID)の職トランプ米大統領の計画を、一時的に差し止めた。米大統領の計画を、一時的に差し止めた。
大統領令は、休職の開始を米東部時間7日午後11時59分としていたが、直前にカール・ニコルズ連邦地裁判事が、労働組合による訴えに応じて「非常に限定的な」一時差し止め命令を出すと述べた。
出典:BBCニュースJAPAN
世界への影響
USAIDが閉鎖となった場合には、世界的な大きな影響を及ぼすことになります。
主な影響
・国際支援の停滞
紛争や災害時の人道支援、貧困削減、感染症対策、環境保全、民主主義支援など、多岐にわたる国際援助が停滞する可能性があります。
・経済的な影響
発展途上国の国々の経済発展が停滞する可能性があります。
日本への影響
USAIDは、設立以来、世界100カ国以上で、経済成長、民主主義、人道支援、環境保護などの分野で活動を行っています。米国のUSAIDに関する方針は、日本にも影響があります。
例として、インド太平洋戦略について、説明します。
インド太平洋戦略とは、アメリカ合衆国が中心となって提唱する戦略です。自由で開かれたインド太平洋地域を維持し、その地域の平和と繁栄を促進するためのもので、日本は、このインド太平洋戦略において、重要な役割を担っています。
米国が、USAIDを閉鎖するなどの決定をくだせば、日本のインド太平洋戦略にも影響が出る可能性があります。
参考)外務省の外交政策(自由で開かれたインド太平洋)
2023年3月20日、岸田内閣総理大臣は、訪問先のインド・ニューデリーにおいて、政策スピーチを行い、自由で開かれたインド太平洋(FOIP)の新たなプランを発表しています。
※出典:外務省
※2025年2月現在の情報に基づいて執筆されたものです。その後、変更されている可能性もあります。予めご了承ください 。
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